●絶対にやってはならない練習

古傳武術の教伝において些かなりとも西洋式のトレーニングが入る事は許されない。それは伝統の否定である事を知らねばならない。しかし伝統武道を唱えながら現代の武道は正に西洋式の練習法がかくまで入り込んでしまっている事には驚くべきものがあり、これでは到底伝統武道とは言われないだろう。現代武道は勿論古武道と言われるものにまで西洋式の体育法が入り込み、また経営法までが西洋的である。道統を完全に護っている日本武術など既に何処にもない事を知らねばならない。それは現世ではとてもできない事だが何とかそれに近づけたいとは思うのである。

●誤解

西洋式筋トレをしないとだけ云えば誤解を招くかも知れない。実際殆ど稽古らしい稽古をせず殆ど理屈ばかりで終わる古武道や合気道の稽古を見受けるが、古傳的な古式の稽古法を知らずして一面の真理を述べても理解できない事は當然である。残念ながら古典通りの稽古をなしている武道は現在日本にはなく、近似した稽古法もみる事はできない。いずれにしろ江戸期の古典法をもっともっと研究しなければならないだろう。